2016年09月24日

WTO交渉、合意断念 部分妥結も困難に:

ジュネーブ=前川浩之、ロンドン=星野真三雄】世界貿易機関(WTO)のアゼベド事務局長は26日の記者会見で、2001年に始まった多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)について、「意見の収束は見られなかった」と述べた. 一部分野での合意をめざしていたが、事実上断念することになった. ドーハ・ラウンドは、先進国と新興・途上国の間で意見が対立. 11年に包括的な妥結を断念し、12月3日からインドネシア・バリ島で開く閣僚会合での部分合意をめざして交渉を進めていた. アゼベド氏は、26日にジュネーブで開いた加盟159カ国・地域による一般理事会で交渉状況を説明. 通関業務を簡素化して輸出入を促進する「貿易円滑化」のルールづくりや、途上国の農業補助金の特別扱いの仕組みづくりといった分野で、「この数週間の集中交渉で、かなりの進展があった」と報告した. 日本と中国との関係が悪化の一途をたどっている. 両国の政治指導者たちの言動には依然、無益な摩擦を少しでもなくそうとする模索がうかがえない. 歴史の禍根やナショナリズムを背負う政府同士が角突き合わせて身動きできないときは、せめて民間交流で対話の芽を探るのが歴史の教える知恵だ. だが中国政府は、そんな交流の扉さえ閉ざす動きに出た. 今月、中学生、大学生、そしてメディアの若手記者たちが来日するはずの催しが延期された. 理由は明示されていないが、安倍首相による靖国神社参拝が影響したのは間違いない. 中韓だけでなく、米国の懸念も振り切って首相が強行した独善的な行動を機に、中国も問題をこじらせる悪循環が続いている. 嘆かわしい事態である. 日中の非難合戦は、世界を舞台に広がっている. 国連本部では、中国の大使が首相参拝を「国連憲章への侮辱だ」と記者会見で述べ、日本側も反論の談話を出した. 英国の新聞紙上では、双方の大使が互いに相手国を、人気小説ハリー・ポッターの悪役魔法使いになぞらえて論争した. こんな日中間の子供じみた応酬に、国際社会はどんなまなざしを向けているだろうか. かたや中国の軍事的な拡張主義. かたや国際常識から外れた首相の歴史認識. 米欧の主要紙の論調は、どちらも憂えつつ、日中の摩擦が東アジアの深刻な波乱要因になっていると強い警戒感を示している. 政治指導者の無責任な行動に振り回されているのは、少しでも円滑な経済・文化交流をのぞむ財界と国民である. それだけに交流のキャンセルは惜しまれる. 靖国参拝をめぐり日本国内では支持と反対の両意見がある. 官製報道しか接することのない中国の一般市民には、日本の多様な言論状況が必ずしも十分には伝わっていない. 若い世代の中国人が日本社会の空気を肌で感じる意義は小さくなかったはずだ. 交流を止めた中国政府には再考を強く求めたい. 一方の安倍首相もいまだに、国際社会での波紋を十分に読み取っていないようだ. 靖国参拝について「誰かが批判するからそうしない、ということ自体が間違っている」と、こちらも反論に腐心している. 中国に国際的な対日キャンペーンを強める口実を自ら与えておきながら、批判の応酬も率先するようでは、指導者として見識に欠けるというほかない.
posted by AyaseYuuki at 08:47| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする
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